TS

追憶のTSのレビュー・感想・評価

追憶(2017年製作の映画)
2.2
【過去に囚われる男】50点
ーーーーーーーー
監督:降旗康男
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:99分
ーーーーーーーー
2017年劇場鑑賞39本目。
最近の邦画にしては珍しく100分以内に収まっているのに、体感時間はそれ以上。感動モノなのに感動しない。一応刑事モノなのにそのあたりの面白さはない。そして終始主人公の行動に苛々させられるという映画でした。レイトショーで見たため、やはり満足したかった。そういう意味もあり、期待を裏切られたという点でこのスコアです(笑)主人公たちの境遇を考えればそれ程悪くはない映画なのかもしれませんが、自分にはほとんど響きませんでした。

親に捨てられた四方篤は田所啓太と川端悟とともに軽食喫茶「ゆきわりそう」を営む涼子のもとで暮らしていた。幸せそうな毎日を過ごしていたのだが。。

感動的な歌が序盤から流れ、雰囲気も同監督の『ぽっぽや』を彷彿させられます。良く言えば古き良き映画といったところでしょうが、どの要素に転んでも甘い作品だなと感じました。
主人公の四方は過去の拭いきれないとある事件が影響してずっと冴えない様子。これに関しては同情出来ます。こんな暗い過去、自分だって絶対持ちたくないです。しかし、刑事ならもう少し周りを見ないと、、と思ったのが正直な印象。この主人公が過去に囚われている人間だというのが序盤からわかります。あの犯人に攻撃を加えたのも、自分の過去と照らし合わせて許せなかったからでしょう。そのように唐突に動くこともあるのに、肝心な時に動かない。特に、恐れていたからといってあれに関して名乗り出ないのは致命傷と思いました。また、話題になっているターゲットに何の警戒もなく近づいたりしますし。
要するに主人公は刑事らしい行動が出来ていなかったといえます。無論、本作は「追憶」というタイトルですから、本当に伝えたいところは過去の柵についてであり、刑事云々のところは二の次なのでしょうが、このあたりが気になり全く感銘を受けなかったのも事実です。

小栗旬と岡田准一の演技はどちらかというと好きな部類に入るのですが、今回ばかりはやや失笑させられました。特にラストあたりはうーん、という感じでした。完全に冷めていましたので感動も何もなかったのが正直な意見です。

しかしながら、これほど強烈な過去を経験してるのも相当辛いものです。題材は良かったと思うので、後は描き方をもっと変えてくれたら個人的に良作になり得たかもしれません。なんだか惜しい。。
TS

TS