あ、これ「アクセル」の監督じゃん!
クソカーチェイス映画のなかではかなりお気に入りなんですよ。カーチェイス部分がちゃんと楽しいんですこの監督。
無名のカーチェイス映画ってね、スピード感がなかったり、おんなじ様なアングルの繰り返しだったり、ブレブレだったり暗くて見にくかったり、あとは予算がなくて車を壊してなかったり。カーチェイス部分に色んな難があることがほとんどなんです
それがね~、この監督はアングルに工夫があるし、なかなかカッコいいカットを撮ってくれるのよ~。派手にブッ飛んだりひっくり返ったりはもちろん、なかなかオリジナリティ溢れるシーンが途中に挟まってきて「おお、そんなアクションやるんか」って楽しいわけ
カーチェイスの尺自体もしっかり取ってくれるので、安心感がありますね
ただ主人公の人格が基本的にヤバいヤツで、今回はさらにメインの男の子が正義と悪の二人いる。しかも二人ともしっかり頭がヤバいヤツっていうややこしさ…
修理に入れてる客の車でレースに出るアホ男、まぁいいよっていっちゃうバカ金持ち。レース終わるまで逮捕待ってくれっていうバカヤンキーと、それに説得されてレースしちゃうアホ警察。
ここんとこ見たクソカーチェイス映画、大体人間関係でお互いに大ゲンカしてばっかりだったので、アホ理論でもすぐ相手を許しちゃうゆるっゆるな頭の悪さがとても好印象です
最後もなにが!?ってなってるうちに大団円で、「まぁ…お前らがいいんなら…いいよ…」って言いながら笑ってしまう。
ズルイと思います。アタマはヤバくてもなぜか全員やたら美形。
「車ってのは女みたいなモンだ」と並べて語る男、「レディ…ゴー!」で服をはだける女の子。そういう部分にふるきよき「車好き」の血を感じます。ハッキリ言ってクソ映画ですけども、私はこの監督にカーチェイス部分以外のサポーターが付いたとしたら、だいぶ化けると思うんですよね
こういうカーチェイスを撮れる監督に、大作を撮ってみて欲しいなぁ~大作の予算をすべて握らせるには、きっとだいぶ難があるけども。
「車好き」が「車の迫力を伝える」力を持ってるというのは、それはひとつの才能だと思うのです