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オールド・ジョイのScreen7のレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
4.2
幸せの3点セット、自然(温泉付き)とワンコとビール。もう他に何も要らないな。スクリーンめいっぱいに車窓を映すシーンは、幼い頃に後部座席から見た景色そのもので、ヒーリング効果抜群…!そんなどっしりと構えた自然の美しさは変わることない一方、変わってしまった旧友との関係。「察する」ということをこれほど自然に描いた作品はそう多くないだろう。もうすぐ父親になるプレッシャーを感じているマークと、自由奔放な性格でヒッピーのような生活を送っているカート。あの頃と同じように振る舞っても感じる温度差は気のせいではないし、興味のある話が違うので会話も盛り上がらない。誰かの噂話でしか会話が保たないのは悲しいよね。言葉にはせずとも、お互いに居心地が悪いな、これっきりだなと思っているのが伝わるのが寂しい。けれど大人になるってこういうことなんだろうなと沁みる。
"悲しみは使い古した喜び"。本作を観て、対義語系の名言(負けるが勝ち等)で1番好きな言葉になった。
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