スタッフと役者が心を込めて作ったのが伝わって来る、ていねいに作られた作品だった。
いつもは華奢に見える生田斗真の肩幅の広さや背の高さに驚き、それがまたリンコさんの葛藤を生むのに効果的。
マキオの桐谷健太の静かに支えてる感じも良かった。
特筆は子役の柿原りんか。彼女はいい女優さんになるんだろうな。
この3人のキャスティングで、映画の3分の2は成功したと言ってもいい。
ミムラが意外なキャスティング。
あとは、料理やインテリアや衣裳や風景に相変わらずの萩野直子監督のセンスが光っている。「かもめ食堂」をはじめとした今までの雰囲気重視のつくりかたから一歩進み、よりドラマ部分に重心を置くことで、進化したように思う。
トランスジェンダーについても、重くなりすぎず、でもキチンと描いていると思う。
休日の昼下がりに見るのにはぴったりの作品。