まちだ

エル ELLEのまちだのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.3
定型にはまること、安易な共感に逃げることをことごとく拒否するようなストーリーの力強さに引き込まれました。とても好きな作品。

ただ不徳でなにが悪いんじゃい!みたいな反逆心、痛快さを感じたからというより、
イザベルユペールが母親、社長、被害者、というあらゆる肩書き、あらゆる定型に左右されない、他の誰でもない「ELLE=彼女」自身であるという根源的な部分に主眼を置いて切実に描かれている作品だから、なのではないかと思いました。

登場人物全員露悪的な描写ばかり目立つ作品なのだけど、
物語の最後にはイザベルユペールが表面的でない、厚みを持った気高さ美しさを感じる女性に見えるところが凄い。

好きな場面もたくさんあるのですが、特に終盤ある人物が主人公に言う「〜てくれてありがとう」に痺れました。
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