たま

エル ELLEのたまのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.0
ポール・ヴァーホーベンのえげつなさとフランスの倫理感とが上手く融合されて出来上がったという感じ。
とにかく怖かった。サスペンスとしても上出来。暴力とエロティシズムが混ざり合う。
ミシェルの、多分信心深かった父親が何故凄惨な事件を起こしたのか。
少女だったエルの人格がそれによって形成されていったのか…。ミシェルの性癖、残忍さ、冷酷さ…二面性。
ミシェルの心理描写も見応えあり。
イザベル・ユペールじゃなければ成り立たなかった映画。上品さと美しさを兼ね備え、知性としたたかさも併せ持つ。
これを演じられる女優はなかなかいない。いい具合に化学反応を起こしたという感じ。
そして、ミシェルも相当恐ろしく屈折した人物ですが、隣人の信心深い妻の神経が、私にはもっとも理解不能でした。
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