ルイまる子

オクジャ okjaのルイまる子のレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.2

「オクジャ」とは食糧危機を救うべく登場したアメリカの巨大企業ミランド社が開発した巨大豚(スーパーピグレット)である。シーンが変わり10年後その豚のうちの一頭があるアジアの山奥でかわいい少女ミジャと野を駆け回って遊んでいる。ポン・ジュノ監督はトトロからヒントを得たのではないかと思うが牧歌的なシーンだ。しかし、崖から落ちそうになるのをオクジャはロープで引っ張り少女を助けたり、かなり度肝を抜くオリンピックレベルの仙人みたいな修行を全く無意識に日常的に重ねている(こういう驚異的トレーニングが後に活かされるる)。そのミランド社が各地域のホームステイで育てた巨大豚の中でコンテストを行い、オクジャはその最高峰となりソウルに(NY?)連れて行かれ、少女が追いかける。ALFという動物愛護団体のテロリストみたいな団体(いや自分たちはテロリストではないと言っていたが)絡み、ややこしくなっていく。ここに先日見た『ミナリ』のお父さん役、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたスティーヴン・ユァンが好演。この人は韓国人じゃなくほぼアメリカ人なんだな。雰囲気英語全てがアメリカ人そのものだった。もう一人の働きたくないトラックの運転をしていた草食系男は『パラサイト』の主人公のギウ役のチェ・ウシクだな。彼も最初からそこにヌボーと存在していてなんかニュアンスをめちゃくちゃ出していた。又ミランド社の女社長が先日見た『スノウピアザー』で面白かったスゥイントンで、またまた怪演しており最高だった!俳優が皆個性的で普通に話が流れて行かない所が流石ポン・ジュノ監督の映画だ。しかし全体を通じてポンジュノらしさは前半だけで次第に消えていく。

【ココからネタバレ】文明の中で傷つけられボロボロにされ人間の食料に屠殺されかけるところ、最終的に少女が救うのだが、その方法がなんだかおじいちゃんが遺産分けとして少女に渡した金の豚の人形なんだけど。。。まぁ、あれが値打ちある金の塊だったというオチは、単に資本主義を表してるんだろうが、スーパー豚より値段が高いということはあんな金の豚の人形が億?ちょっと拍子抜けのオチでした。いや、もっと深い意味があるのかもしれないが、今のとこ資本主義しか浮かばない。映画全体の出来としては他のポン・ジュノ作品群には劣るかもしれないがエンターテイメントとしてスピード感はあった。
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