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オクジャ okjaのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

2017年。

ジェイク・ギレンホールが発声の仕方から「アメリカの自然ドキュメンタリー番組の爽やかレポーター」のキャラ造形を完璧に仕上げてきており、最高だった。

この人もティルダ・スウィントンも、なぜかちょっと出っ歯を強調してきてて面白い。ちょっと笑った後に、アジア人が出っ歯で表象されがちなことへの批判をこめてるのかと思った。

『ウォーキング・デッド』を卒業したスティーヴン・ユアンがまた白人男性のサイドキックみたいな役で出ている。韓国とアメリカで撮影する意味を体現するようなキャラ。"Translation is sacred"を刺青して再登場したのには笑った。ポール・ダノの冷酷なのか優しいのかよく分からない複雑な動物愛護団体リーダーもよかった。ホテルの一室のシーンでのあと、ステージ上のミジャに駆け寄り、「僕だけを観て」と語りかけるシーンでは、とんでもなくイケメンに見える。ときめきを引き起こすのは、それまでの描写の積み重ねなんだな。

GM(Genetically Modified,遺伝子操作)豚を全世界の酪農家に分配して出来を競わせるルーシーのやり方、いまNetflixがやってる、全世界の名のある俳優や監督に映画を撮らせるのと同じに思えた。ポン・ジュノは配信サービスの興隆にメタ的に言及してるのかと思ってしまった。

ミジャとオクジャが暮らす韓国の山の緑、ミジャの赤い頬とオクジャの餌である柿の色が鮮烈。
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