ATSUYA

オクジャ okjaのATSUYAのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.2
大きな豚さん大暴れ

ポン・ジュノさん
作品賞・監督賞受賞おめでとうございます!
まさに歴史が動きましたね。
アジア初、非欧米作品初の作品賞受賞。
天晴でございます。

そして監督賞のスピーチ。
スコセッシ、タランティーノへの敬慕。
トッド・フィリップス、サム・メンデスへの賛辞。
映画愛が溢れる素晴らしいモノでした。
授賞式見てない方、このスピーチだけでもチェックしてみて下さい。

そんなポン・ジュノさんのハリウッド進出2作目になる本作。
もう大きな映画は作らないと言っていたので、おそらく英語作品は最後になるでしょう。

まぁ本作も主人公は韓国人で韓国語を話すので、自分の語りたいストーリーを自分の信頼できる人と、ただフィールドだけ大きく、という形で作ったのだと思います。
だからこれはハリウッド映画でも韓国映画でも無く、ポン・ジュノ映画です。

大きな豚さん"オクジャ"と暮らす少女ミジャ。
一緒に魚を取ったり、お昼寝をしたり、毎日楽しい生活を送っていた。しかし、ティルダ様演じるヘンテコ社長に騙されてオクジャはニューヨークの食肉場に連行されてしまう。
単身追いかけるミジャ、そこに加わる動物解放戦線(ALF)、ティルダ様VS少女の壮絶な戦いが始まる。

大きなテーマは「動物愛護」
食用として動物を殺すことへの風刺、人間と動物の間で育むことができる愛情がミジャとオクジャの関係性から伝わってきます。

終盤、食糧になるため殺されていく豚たちの姿を見ていると胸が苦しくなります。自分が普段どれだけおぞましいことをしているのか目を逸らしたくなるほど突きつけられました。

ALFの奴らはちょっと嫌いだった。
オクジャ以外の豚には興味がなかったり、動物愛護を訴えておきながら、ドジった仲間をボコボコにしたり、エゴイズムな奴らばかりでムカついた。

オクジャ、別に可愛いかないんだけど、ミジャとじゃれあう姿は萌えた。かつなぜか知能が異能に発達していてビビった。猿の惑星みたく豚の惑星が出来てもおかしくないね。

アカデミー予想、24部門中15部門を当てることができました。まぁ最初にしたら上出来かな。来年は20を目指します。

今回の『パラサイト』の受賞とカズ・ヒロさんの発言で日本映画界が抱える問題が浮き彫りになりましたね。ただ素晴らしい日本映画は沢山あります。去年も何本か唸った作品がありました。

それでも世界における(今の)日本映画のイメージは薄いと思います。より多くの作品をより多くの人に見てもらえるよう、組織改革、業界改革が必要なのではないでしょうか。

国策として映画産業を発展させた韓国を見習って、日本も国を挙げて映画界を成長させていく必要があるのではないでしょうか。
@ちっぽけな映画ファンより。
ATSUYA

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