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フラワーショウ!のkunicoのレビュー・感想・評価

フラワーショウ!(2014年製作の映画)
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ガーデニング界を舞台にしたサクセスシンデレラストーリー。

アイルランドの片田舎に住む、幼い頃から自然との触れ合いを大切にしてきたメアリーの夢は、ガーデニングデザイナーになって「自分の庭で世界を変える」こと。
ある時彼女はアシスタント募集の広告を目にし、業界でも売れっ子デザイナーのシャーロットの元で働くようになる。
自分のアイディアをどんどん盗んでいくシャーロットに嫌な顔一つ見せず、「まずは人間関係を良くしておかないと」と夜な夜なデザインを書き続けるメアリー。
彼女のおかげもあってガーデンショーの最高峰と言われるチェルシーフラワーショーへの切符を手にしたシャーロットだったが、現地ではメアリーを邪魔者扱いする。帰国後のホームパーティでも孤独に悲しむメアリーに、とうとうクビが告げられてしまう。

「私も来年のフラワーショーに出る!」と一念発起したメアリーがまず最初にやったことに、成功する人の秘訣がある様に見えた。
メアリーは実在する女性で、チェルシーでは歴代最年少受賞の記録を持つ。
人を勇気付ける言葉の力は大きいんだと改めて感じた。

フラワーショーに出ると言っても、そこからぶつかる壁の多いこと多いこと。
若いが故に願書を貰うのも一苦労、仕事が無いからライフラインを止められる、挙句の果てには25万ポンドの出資をしてくれるスポンサー探しまでのしかかってくる始末だ。
しかし、そんな中でも2000人の応募があった第一審査で、チャールズ皇太子も含む8人枠に残ることが出来る。
そこから共に庭造りをしてくれる職人探しの日々が始まったのだが...

夢に向かって一直線な彼女だが、恋愛においてもその真っ直ぐさは変わらない。
メアリーが出会ったのは植物学者のクリスティ。
2人ともワイルドフラワーや自然の保護に取り組みたいと考えていても、その方法がどうしても食い違ってしまうのでとても歯がゆい。意見の衝突が続く中、クリスティは砂漠緑化の活動でエチオピアへと旅立ってしまう。
目指すものは一緒なのに中々分かり合えない2人だが、お互いの可能性を信じ合える仲になっていく姿に、恋愛以外に同志の様な絆を感じた。

大自然のシーンが多く、思わず深呼吸したくなるような壮大さだ。
ガーデニングを題材にした映画も数あるわけでは無いので、そういった意味でも一見の価値があるだろう。
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