サムカワ

ウインド・リバーのサムカワのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.8
「将来君に子供ができたら……目を離すな」



大傑作です。

本当に"よく出来た映画"といいますか、脚本力、演出力、撮影、音楽、そして演技。
もうそのすべてが最高レベルで構成された、これぞ映画だ!と唸らされる一本。
起きていることの悲惨さを考えれば、この言葉選びは不謹慎かもしれませんが、これは映画として、"無茶苦茶面白い"です!


これでよりテイラー・シェリダンが監督した「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」が楽しみになりましたよ!!!※


111分という、あまり長くない尺ですが、体感はもっと短くて20分くらいですかね。

人物相関図を脳内で構成するのがやや難しくはあるのですが、物語を理解するうえで必要な情報は自然と飲み込めるので、序盤の会話とか「え?なになに?」となって焦っても心配しないでください。


本作はなんといってもジェレミー・レナーのカッコよさが凄まじいです。
クライマックスのあのカッコよさ何!?


エリザベス・オルセンの美しさも最高ですよ。0.5秒くらいお尻が見えるんですがあそこは本当に………ゴホンゴホン(咳払い)

いや、本当にこういう考えとかしてると、中盤以降心底自分が嫌いになりますよ。



事件の真相がわかるクライマックス手前の見せ方とかの巧みなミスリード具合には、口あんぐりしてしまいますし、要所要所で印象的に用いられるPOVが効いてますね。
(このPOVはカメラ主観じゃなくて、Point of viewのいわゆる目線主観です)

催涙スプレーで目をやられた人のPOVって初めて見たかも。


事実を元にした作品で、かなり重いテーマ性を持っていますが、語弊を恐れずに言うと、かなりエンターテイメント性も高い作品だと僕は思いました。

とくにクライマックスのガンアクション映画としてのクリオティの高さ。
あのシーンひとつ取っても今年ベスト級ですよ!

また、サスペンスとしての謎解きの面白さも一定量あります。
それがまた現地の人ならではの捜査方法ってのが良いですよね。


そして、やはり俳優陣の演技と、それに付随する演出の素晴らしさ。
被害者の死を知り、受け入れられないけど、受け入れるしかない…そんな遺族たちの姿に胸を強く締め付けられるし、だからこそ犯人は絶対見つけないと……と思わせてくれるんです。


あとやっぱ酔っ払いって怖い。


ずっと凍えるような寒さの中のシーンなため、最近はずっと映画を観てるときアイスコーヒーを飲んでるのですが、ホットにすりゃよかった……なんて思うほど、観てるこっちも寒くなってきます。

よし、観終わったら帰りホットコーヒー買おう〜なんて思って劇場出たらやっぱ暑くて現実に引き戻されましたよ。

と、まぁそんなことは置いといて、
なんかもう語り出したらキリがない!
1シーン残らず、1秒残らず、1フレーム残らず素晴らしい作品でした!!


※ボーダーライン2はテイラーじゃなかったですね
なんでこんなこと書いたんだか
サムカワ

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