つう

ウインド・リバーのつうのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0
『ウインドリバーの雪深さは人の想いすら凍らせる』

ウインドリバーでガイド兼ハンターをしているコリーは荒野で凍死体を発見する。その事件を担当するためにFBI捜査官ジェーンが派遣されてくるのだが広大なウインドリバーを捜査するには力不足。地元に詳しいコリーが協力することになるのだが…

「ボーダーライン」「最後の追跡」の脚本家で知られるテイラー・シェリダンの初監督作品。

アメリカの辺境について描いた「ボーダーライン」「最後の追跡」「ウインドリバー」のフロンティア三部作と称した。

主演はジェレミー・レナー。

アメリカの語られにくい部分を浮き彫りにしながらも単純な社会派映画として終わらせないのは脚本家から監督になっても変わらない。

キチンとドラマがあった上で問題提起があるというスタイルは健在で良かった。

夏の自由研究はテイラー・シェリダンの作品を見て、まとめればOKじゃないの?っていうぐらい色々と詰め込まれてるのに説明的にならないし。ドラマチックに描かれてる。

社会問題を前にして、「現実はこうだ!そのとき、お前はどう行動するんだ?」と投げ掛けられる。この当事者感を植え付けてくる感じ。好きだなぁ。

前2作は、まだ環境は手を差し伸べてはくれないぐらいだったが今回のウインドリバーは、むしろ牙を向けてくる。

そのやりきれなさや耐える姿をジェレミー・レナーが好演してるし。相棒役のエリザベス・オルセンの悪気はないけど地雷を踏みまくる感じとかも相まって良かった。

あとドアとかの演出も良かった。ドアは外と隔絶する扉として使っていて、その演出が効果的に使われていたのも印象的。

暑い夏には、この白銀の世界を描いた作品を映画館で堪能するのがおススメです。

ってか、公開館数が少なすぎる。もったいない。

動画レビューはコチラ。
https://youtu.be/dfIo1GRlUqQ
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