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ウインド・リバーのmiyuのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.3
凍てついた雪の中を走る少女…
走って 走って 走って
雪が積もる道無き道を…
走る…
彼女の囁き声が聞こえ、
胸がキュンと、切ない気持ちになる…

ハンターのコリー ランバート(ジェレミー レナ)は、雪が積もる冷たい土地で、少女の死体を見つける…

ネイティブ・アメリカンが追いやられた土地で、FBIの管轄であるため、新人のFBI捜査官ジェーン バナー(エリザベス オールセン)が、単身派遣される…

そして、彼女のヘルプにコリーが選ばれた…

この映画では、アメリカにおいて、ネイティブ・アメリカンが事件になっても、うやむやにされてる現状を何気に感じさせる…

FBI捜査官のジェーンが、娘がいなくなった父親に
「なぜ、ムスメを出かけさせたの?」
(セリフはハッキリ覚えてないが)と詰問すると
「ムスメは、自分で責任を持つ年だったから」(これまたセリフは忘れたが…)そんな事を答える場面がある…

でも、奥さんがあまりにも酷く落ち込んでる姿を見て、ジェーンは自分が言った言葉を強く恥じる…

そうなんですょ…
悪いのは、犯人なのに…
娘が、被害に遭ったら、親は他人からワザワザ言われなくても
自分で自分を責めるんているんですょ!
責めて、責めて、自分を責め続けるんですょ。。。
そして、また、一方で、なんて理不尽な事が起きたんだ…
って 怒りや負の感情にとらわれるんですょ。。。
あくまでも、悪いのは、犯人だけど…

あの描き方は、秀逸ですよね。。。

また、殺されたムスメのお父さんが
顔に死装束らしいペイティングをして…
自殺を考えていた…って 場面…
しかし、息子からの電話で
生きるを事を考える…

ここも秀逸だと思えた…

雪と静寂しかない世界…
そこに閉じ込められた鬱積した感情…

自分の欲望を抑えられないあさましさ…
弱いものに向かう残虐さ…

そんな事件に巻きこまれ、激しい怒りと悲しみを抱えながらも
「自分の感情と戦う事を選んだ…」っていう主人公の言葉には、ジーンと響くものがあった…

ムスメを2人 持つ ワタシとしては
娘を失う事の悲しみや恐怖や怒り…
チョット 想像しただけでも 耐え難い痛みで…
ずっとその痛みを感じながら
ムスメをずっと記憶していたい…
って そんな主人公の気持ちに
涙が止まらなかった。。。

ティラー シェリダン
『ボーダーライン』と同じ脚本家でしたね。。。
『ボーダーライン』の続編も 確か 彼じゃなかったっけ?
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