イチロヲ

団鬼六 蛇と鞭のイチロヲのレビュー・感想・評価

団鬼六 蛇と鞭(1986年製作の映画)
3.5
一流企業の秘書に任命された女性(真咲乱)が、亡き両親と関わり合いをもつ社長(児玉謙次)に言い寄られてしまう。愛憎劇に巻き込まれたヒロインの顛末を描いている、日活ロマンポルノ。団鬼六原作。

主人公が会社社長とその仲間から凌辱行為を受けてしまう物語。ドラマが著しく停滞するが、姉のことを尊崇している弟(矢吹龍一)の登場という変則パターンを起用。主従逆転の面白さは希薄だが、近親相姦の要素が加味されている。

主演女優・真咲乱の、わがままなダイナマイト・ボディは言わずもがな。迫力のあるロケットオッパイが、バーチャル立体映像の領域に入っている。ヒロインと共に被虐待者になってしまう弟の、エモーショナルな芝居もまた素晴らしい。

団鬼六作品では「上流階級の婦人&社会的弱者の男性」というカップリングが多いのだが、本作では姉と弟に置き換えることで換骨奪胎を目指している。ロマンポルノ末期の意地と根性が伝わってくるところが良い。
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