NEWおっさん

帝一の國のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
4.5
「痛快政治アクション!」

同名コミックを実写化。古屋兎丸の作品実写化は「ライチ☆光クラブ」に続き2度目となる。原作はある程度読んでるが、原作の時点で「ライチ―」ほどマニアックさも無くバカバカしい設定のコメディなので、実写化しやすい題材とは常々思っていたが、予想以上に楽しい作品になっていた。

まず主要6人とヒロイン美美子のキャスティングがハマっているのが大きい。特に菊馬のイヤらしい感じと弾の爽やかっぷりは凄い。美美子役の永野芽郁はザ・ヒロインって感じなのが逆に新鮮。十分可愛いさを堪能出来た。エンドロールのギタープレイは卑怯だよ。あんなもん可愛いに決まってるじゃないか。この娘が「ピーチガール」の嫌な女役と同一人物だったのを後で知って驚いたよ。

あとストーリーも原作が長い割にはよく纏められていて上手い。重要ポイントはちゃんと抑えられてるし、ギャグもキッチリ全力で演じてるので普通に笑える。父親とのテストの点数発表合戦のトコなんてめちゃくちゃ笑った。菅田将暉はコメディでも全力なのが良いわ。意外にも感動できるトコもあり、帝一が何故そんなに生徒会長に拘りを持つのかの理由のトコはちょっと泣けたよ。

これ惜しいなあ。続編もやろうと思えばできるんだろうが、話は一旦氷室森園戦で終わり、続編としてじっくりやって欲しかった感はある。帝一菊馬弾戦はわずか10分ぐらいで終わるのが勿体無かった。

生徒会長選挙戦など、盛り上げるトコも要所要所にあって、久しぶりにバカバカしくも全力で笑って泣けるコメディ作品を見た。政治など難しい題材だと思うだろうが、超が付くほど分かり易いストーリーなので分け隔てなく誰にでもオススメできるのも強み。面白かった。