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田園に死すのキーのレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
5.0
1974年の寺山修司監督作品。

最初から最後までの再鑑賞は、実に久しぶりです。
J・A・シーザーの作り出す音楽と、寺山修司の作り出す映像が、自分の中ではとにかくカッコ良く、ミュージックビデオを観る感じで、場面場面で何度も繰り返して観たシーン、というのがありまして、音楽が流れていないシーンは記憶がおぼろげでした。

以前に全編通して観た時には、音楽が流れていないシーンには退屈しましたが、今回観てみると、こんな名シーンあったっけ?…こんな名カットあったっけ?…こんな名ゼリフあったっけ?…あれ?以前の自分、一体何を観ていたのだろう…と、自分の記憶に驚きました。

劇中に登場する犬神サーカス團の帽子を被った踊り子さん役が、とんでもなく可愛い女優さんだったりして…それが前に観たはずなのに全く覚えていなかったり…この女優さんには初めて観たような気持ちで恋してしまったような気持ちになりましたよ…

曇り空をバックに、「昭和十八年の仏様を降ろしてくださーい!」「しーんちゃーーーん!!」と、自分も一緒に叫びたくなる、そんな扇情力がたまりません。

芸術映画といえば芸術映画だけれど、大人達が楽しく遊びながら作っているような雰囲気もあって、観ているこっちも楽しくなります。
昔観た時よりも、今回観た時のほうが、ハマりました。もう、曇り空をバックにした山を見たら、恐山にしか見えなくなります…
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