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シティ・オン・ファイアーのキーのレビュー・感想・評価

シティ・オン・ファイアー(2008年製作の映画)
4.8
2008年の、オーストラリア産テレビ用ムービー。
監督は、後にテレビドラマ『死霊のはらわた リターンズ』に監督として参加しているトニー・ティルス。

オーストラリアの森林火災を描いたパニック映画で、火災に立ち向かう消防局局長、その息子で最前線で消火活動に取り組む消防団員、火災を報道するテレビ局リポーターとカメラマン、火が迫り来る街の病院に勤務する医師、その医師の家族が妊娠中の奥さんと幼い息子・娘・飼い犬・先妻とケンカして訪ねていた先妻との娘、州知事、州知事秘書、こうした人達をそれぞれ描きつつ、この人達がたまたま出会ったり、と、丁寧に人間ドラマを描いています。

観る前も、観始めた時も、安っぽいCGで描かれた安っぽいディザスター映画だと思っていたので、予想以上に重厚な人間ドラマに、心奪われました。

家族愛の描き方は、定型的ではあるのですが、描き方が上手いのか、観ているこちらの年齢のせいか、熱いドラマに、二度ほど泣かされました。
オーストラリアの森林火災は、ここ日本でもニュースになるくらいで、毎年何件も起こるリアルな恐怖ですが、そうしたセンシティブなテーマをテレビで放送するということは、エンタメ作品でありながら、報道寄りで、制作者達の、この作品に対する気骨ある姿勢も感じさせてくれました。
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