オープニング。
メトロノームに合わせ、たどたどしくオルガンを奏でる少女。
母の声を聞き、その場を離れる。
止め忘れたメトロノームが規則的に鳴り続ける。止め忘れたメトロノームが規則的に鳴り続ける。止め忘れたメトロノームが規則的に鳴り続ける。
タイトル、『淵に立つ』。
て、天才かっ!!!!
罪を犯した人間が、もしその罪を隠蔽し向き合わなかった時、一体それは誰が断罪するのだろう。誰が罰するんだろ。神様だろーか。
そんな観点で、今作の浅野忠信さんは悪魔にも神様にも見えた。
『おめえは本当に小せぇ野郎だなぁ』。
浅野さんがこの台詞を発する川原のシーンは本当に恐ろしい。なに考えているかわからん。天の怒りのようにも思えた。
その昔、『FOCUS』と言う作品で盗聴マニアの役を演じた浅野忠信さんが本当に恐ろしく、私の中の浅野忠信ベストアクトはいまだにあれから更新されてないのだけれど、それに匹敵する怪演でした。
そしてなにせ演出。作品の中に深田監督がちりばめた『予感』が本当にセンス抜群に効きまくり、物語に派手さはないのに、カチカチカチカチと響くメトロノームの音が、それこそ時限装置のカウントダウンを数えている様に観る者の心に不穏なプレッシャーを与え続ける。
んで、そっからのあのラスト。
まいった。