なんだか名画座にいる気分……。
とっても落ち着いた空気感と、その中でヒタヒタと募る緊張感……最高でした。
リメイク元であるドン・シーゲル監督作「白い肌の異常な夜」とやっていることが同じなのに、感情移入のポジション、度合い。シーンのニュアンスが微妙に、しかし確実に異なっていて、それがまた面白いんです。
故に映画全体のトーンも異なっていて、
ドン・シーゲル版は(かなり前に観たっきりだから記憶で話してます)スリラー映画として、ハッキリ怖いものになっていました。
とくに伍長の態度が急変する"ある行為"は、明確に憎しみの感情がありました(確か)
その点、本作は割と女性陣を擁護する描き方といいますか、その"ある行為"も善意からですし。
まぁこれ以上リメイク元と比較してもアレなんで これくらいに。
映画が始まってからタイトルが出るまでの ゆったりとしたあのショットは、とても懐かしいな〜と。
70年代とかの映画を観ているような感覚でした。
もうその時点で虜ですよ。
本作には「ナイスガイズ!」で大好きになったアンガーリー・ライスちゃんが出てる!ということが僕の中での1番の楽しみでしたが、あまり活躍せず……それでも最高に輝いてましたよ!
なにより もうエル・ファニングですよね……。
彼女に色目使われたらそりゃ……ねぇ。
ジョー・アン・ハリスとはまた違った色気が良いですねぇ〜。
暑い日にパタパタ首元を仰ぐという仕草だけで あんなにエロいとは。
「スパイダーマン」のときからブスブス言われてたキルスティン・ダンストですが、僕はもう小学生の頃からずっと美人だと思ってましたよ。
しかし!本作の前半では小うるさいババア感がビンビンで、「あ……お老けになられたか……」と思わざるを得ない風貌。
でもそれが後半に行くにつれー"女"になるにつれーどんどんお美しく見えてくるではないか!
そうか!やはり前半のそれは演技だったんだな!安心した!
そんなこんなで、割と女性陣側に感情移入していたのですが、先述した通りの昔の映画のような感覚も相まって、終盤の食卓では女性たちがレザーフェイス一家のような物々しい存在に見えてきました……。いやぁ恐ろしい。
そんな怖さの中に少し笑ってしまう展開もありました。
アップルパイの手柄の取り合いとか最高です。
これ新文芸坐とかのオールナイトの4本目とかが似合うんじゃないでしょうかねぇ。
観ている間からすでに名画座にいるような気分でしたもの。
見逃せぬ傑作でした!