インド映画278本目は男女逆転結婚コメディー。
＊＊＊＊＊
2016年IFFJ上映作。
見逃したので動画配信サイトで英語字幕で視聴。
まだまだ女性の地位が低い？インドで立身出世を望みばりばり働くキアと、デリーの建築王の御曹司でありながら母親のような専業主婦になるのが夢であるカビールが結婚する物語。キ＆カは二人の頭文字であります。結婚してからは、早くに夫を亡くしてNPOで働きつつキアを育てた母親と同居。
このストーリーが成り立つのは、家内労働に容易に頼れる中進国の比較的豊かな階層という裏事情があります。
掃除洗濯など、独創性をあまり必要としない細かい仕事はメイドに頼むのが一般的である上に、稼ぎ手が既に二人いて世帯収入も高いところから、アーティストとしての主婦が成り立つわけですね。
全体的にとても誠実な作りで、くまさんみたいなアルジュン・カプールが、アーティスティックに家事に勤しむ姿は一見の価値がありましたが、二人の諍いの原因が、本来裏方である主夫カビールの生き方がユニークだとして世間の注目を浴び有名になったのにキアが嫉妬したから、というのがどうにも説得力に欠け飲み込めませんでした。
それが一般的な感情だという筋書きなんですが、違うと思います。単に一部そういう了見の狭い人たちがいて、それにヒロインが当てはまっただけでしょう。
政治的な配慮で舌足らずになったのか、本当にこれで良いと思って作ったのかいまひとつ分からないところが、ちょっとモヤモヤですが、まあ、楽しい映画ではありました。
（男女を逆にしただけ？！ 2016/12/25記）
