回想シーンでご飯3杯いける

空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.5
日本占領下の朝鮮で生まれた文学好きの青年、尹東柱(ユン・ドンジュ)と宋夢奎(ソン・モンギュ)の半生を題材にした実話物。

学生時代に詩の才能を開花させたドンジュは、独立運動を主導したモンギュと共に若くして同人誌を発行。医者になる事を望んだ親に反抗し、文学で世界を変えていく道を選ぶ。詩を書く事にこだわったドンジュと、独立運動に主軸をおいたモンギュのスタンスを対照的に描きながら、日本政府の厳しい規制によって2人の自由が奪われていく過程を残酷に描いていく。

2人の立場から見た作品なので、戦時下に於ける日本の他国に対する加害行為が晒されており、日本人である僕達が観るにはなかなか辛いものがある。一方で日本人の中にも2人を応援する人物がいた事も描かれ、それを演じている韓国人俳優が丁寧な日本語を喋っている事を含めて、本作の真摯なスタンスが伝わってくる。

ドンジュの台詞には心に残るものが多い。それは彼の作品から引用された言葉なのだそうだ。僕は詳しく無いが、今も歴史に残る詩人として知られているそう。