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ブレードランナー 2049のOhuのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.6
リドリー・スコット監督は以前、映画監督はテニスプレイヤーより長くプレー出来るとか発言していたけど、加齢による制作意欲やセンスの衰退はあると思う。作品によって出来栄えにムラがあるし、過去の遺産を潰しかねないことだってある。近作だと『エクソダス』とか『エイリアン コヴェナント』とかがそうで、かなり危うかったし。ブレードランナーの続編が制作されることを知った時も、内心リドリー・スコットで大丈夫かと不安が過ったが、監督が旬のドゥニ・ヴィルヌーブになると分かって、期待値は最高潮に。『ボーダーライン』『メッセージ』と、立て続けにヒットを飛ばし、勢いに乗る監督なだけに、どんな続編になるのか楽しみで仕方がなかった。けど、正直ブレードランナーは世代じゃないし、幼い頃に何度か見たことはあったけど、映像面以外はそんなに印象に残っていなかった作品。勧善懲悪ではない、ややこしいSF作品ってだけだった(バージョンも何パターンかあるし)で、そんなこんなで見終わったあとの感想は、リドリーの作家性を丁寧に受け継いだ作品でした。ベースにある音楽や美術とか雰囲気はそのままで、ドゥニらしさは2割といった感じ。丁度、JJのスターウォーズと似たような割合。両作ともハリソン・フォードに依存している訳だけど、もう高齢なんだし、いい加減休ませたれよって気持ちにもなった。決して悪い作品ではなかったけど、金字塔的な作品のリブートやリメイク、続編には先駆者らの足枷が重過ぎて独自性が失われるリスクも大きいと感じた
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