見なければ良い、見なかったことにする、私のせいじゃない。そんな当事者意識の低い世の中で、ジェニーの行動は異質。
彼女の視線は真っ直ぐで、恐らくずっと正しく行動してきたであろう自負が伺える。
そして後ろめたい者にとっては居心地が悪い。
だけど、コートを着たままのジェニーが恩師に「暑くないのか?」と尋ねられるとこや、辞めた研修医ジュリアンのところへ「返事がないのは良いという意味かと…」と押し掛けるとこ。
あの眉根を寄せた上目遣いはドライなわけじゃなく不器用さの表れで、そんなジェニーを理解したいと思うと、自己満足に見える行動は裏のない実直さなんだと好感が持てたし、憧れる。
私は、あの視線を真正面から受け止めることができるだろうか。