版図にない場所へ
そこは、人の踏み入らない獣道。
帰る道など気にせず、そのままおいで。
さあ、共に生きよう。
その気があるなら、
入っておいで。
終始乾いた仮面のような感情の表現と対称的に、
「どぅるり」とした重い流動感、
湿った質感を持った生命の運動。
それは、血管を流れる血のような絶え間のない循環。
一生毎ではなく、
一生のうち何度も生まれ変わる私たち。
死は魂の終わりを意味するのではない。
生と死の間には境目などない。
人がそれと見定めた死がもたらす祭事以外には。
虫であろうが、牛であろうが、なまずであろうが、王女であろうが、共産兵であろうが、独裁者であろうが、精霊であろうが、
それらはすべてふと生まれた魂たち。
その魂たちの見る夢は物質を超えて、
私たちの日々の営みや魂を見つめて、時に干渉する。
胡蝶の夢。
私が夢に落ちる前、私が覚めた後、
いつも変わらぬ私である保証など、
どこにもない。