面白かった!
ミステリー寄りのホラー映画で、グロはほぼ無し。B級という感じもなく、全体的にクオリティが高い。
ミステリーチックなストーリーなのに、バイバイマンの出自や目的が最後まで明かされない為、結局何だったの?というモヤモヤが残る。これのせいで評価が低いものと思われる。
けど、それこそがこの映画の最大の特長で、恐いところなんだと思う。平均評価が低いのは不当だと思うので、長くなりそうだけど言いたいこと言っとく。
ちょっとネタバレかもしれないけど、この映画の敵「バイバイマン」は、「概念」なんだよ。
これは劇中で何度も説明されるし、脳筋黒人が遅刻した物理っぽい授業で「私の後ろにある壁を構成する原子をいくつか払い落としても、壁は壁として存在する~」の説明も、概念とはいかなる存在かという点で繋がってる。
つまり、バイバイマンは何か理由とか目的があって行動してる訳ではなくて、もうそういう存在なの。概念なの。
だからこそ、知ってるか知らないか、認識するかしないかの差しかなくて、概念としてどこにでも存在し得るんだよね。神様みたいなものなの。まどマギのまどかみたいなものなの。
それってすごく怖くない?いま周りにある空気って、ぼーっとしてると特に何も感じないけど、空気があるって認識した瞬間から延々と触れ続けてるのが分かる訳で。動けばぶつかるのが分かる訳で。
敵が概念だからこそ、別に理解する必要もないし、説明する必要もないんだよね。そういう恐ろしい奴がいるってだけで良い。演出上、不気味なビジュアルとか列車とかグロ猛犬とかいるけど、理由なんて要らない。怖ければそれで良い。
だからある意味すごくシンプルで、そのお陰で幻覚と戦ったり、知ってる人を抹消する下りを入れられたりして、ホラー映画にしては珍しくストーリーに展開があって飽きないんだと感じた。
主人公のキャスティングも良かった。暗黒面を感じる顔つきで、この映画にピッタリ。
そうは言っても4.0は付け過ぎだけど、これは脳筋黒人が乗ってる車がかっこよかったからね。ウインドルーバー付いてて興奮した。この映画のレビューでウインドルーバーに触れてるのは俺ぐらいだと思う。