この青春感。かっての『パンツの穴』のような青々しさ。
男は惹かれた女とヤレることを重視するが、相手はおかまいなしということ、翻弄されるのは男であるという現実がよく描かれていた。
最初から「デキて」しまうところも面白い。大根監督の『モテキ』ではすぐにはこうならなかったが、この映画では濃厚なキスシーンが連続される。
水原希子だからこそそういう演技ができた。キスシーンもベッドシーンも、体のパーツのアップもできる。たいしたものだ。
題名からおしゃれな「シブヤ系」映画を想起してしまうが、フィクションとして普遍的なこと、青年の成長を描いた「基本の映画」だった。
妻夫木聡もあいかわらず巧い。『来る』もそうだったが、情けない男を演じさせたら超一品だ。
ラストの哀しさも、表情もよかった。
峰不二子といい、男はファム・ファタルが好きなのだ。