より原作に近く、素朴さの残るハイジ
今年はキノフィルムズさん配給作品をほぼ皆勤賞状態なのですが、今回も六本木にある試写室での試写会にて鑑賞しました。
さて、本作『ハイジ』は、スイス・ドイツ共同制作による、ヨハンナ・シュピリの原作の映画化作品です。ですのでアニメに出てくるセントバーナードのヨーゼフなどは出てきません。その分、スイスの美しい自然、原作が書かれた当時のフランクフルトの街並みなどが飾らない素朴さいっぱいに描かれていました。
また、当方、ヤギさんの大ファンでして...ヨーロッパのヤギさんの角の立派さには何度もほれぼれしてしまいました。(日本のシバヤギは角が短めですので..)
役者陣も、おじいさん役のブルーノガンツの存在感、ハイジ・クララ・ペーター役の子役ちゃんたちの個性がバランスよく、それぞれのキャラに自然と入り込めました。(私はペーターが好きかな。)
尚、本作はドイツ語作品ですが、スイスのドイツ語とドイツのドイツ語では微妙に違うせいか、フランクフルトのシーンになるまでは単語すら分からず..(山の中と街では挨拶の言葉もちょっと違ってました。ま、日本でいう方言に当たる感じなのでしょうか。)
ま、フランス語でもケベックとフランスでは若干違いますしね。
本作では、アニメのように愉快で解放感ある農村生活ばかりが描かれているわけではなく、暗く厳しい生活感と当時の社会情勢も描写されています。それでも、自分のあるべき姿、あるべき場所で懸命に生きるハイジのバイタリティーはいつも私の憧れです。生まれ変わったら裸足で山をヤギと駆け回りたいなあーと思いながら、眠らない六本木のネオンに目眩がしながら帰路につきましたとさ。