Morohashi

親愛なるきみへのMorohashiのレビュー・感想・評価

親愛なるきみへ(2010年製作の映画)
4.6
かなり現実的なストーリーで、とてもよかった。チャニング・テイタムの、あまり表情を変えない軍人っぽさがよかった。

映画全体を言えば後半思いもよらぬ展開を見せ、後味の悪い映画になるのかと覚悟してたら、最後の20秒で救われた。

いくつかのレビューの中で、サヴァナの身勝手さや忍耐の弱さを指摘するものがあるが、個人的にはその意見には賛同できない。

3年という期間は結果論であり、当時は何年かかるかもわからない状況だった。
サヴァナが自閉症に何らかの関心をもっていたことからも、ティムが依存する(←あえてこう表現しますが)ことは想像ができるわけで。

ティムも言ってますが、サヴァナのティムへの感情は恋愛ではなく、むしろ隣人愛に近いものがあり、言うならばティムはそれを利用したにすぎない。
いつ帰ってくるかもわからない人よりも、目に見える(tangible)困っている人を救うための滅私奉公と考えると、むしろサヴァナ以外の人の方がよほどひどいことをしているように映る。特にティム。
だからサヴァナはジョンに乗り換えたわけではなく、むしろ従属の鎖から解放されたという表現の方が近い。だって5年も待てるってその方がすごくない??

演出の観点で言えば、貧困に苦しむサヴァナならもっとやつれた感じを出してもよかったんじゃないのかなと思う。
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