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哭声 コクソンのsssのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とりあえず町山智浩さんの解説が名解説なので聞くべき。


以下メモ

これは神についての物語
キリストの影響下で混沌とする人間を描いている

聖書によると、キリストはイスラエルに来て、自分は神の子だと名乗った。
人々はよそ者のキリストに対し戸惑い、疑問を抱き、混沌とした。

「ではもし、キリストが韓国の田舎町にやってきたらどうだろう?」
これがナホンジン監督の発想。

國村準(キリスト)がコクソン(イスラエル)に現れ、人々を困惑させる。

日本人をキャスティングしたのは、韓国人ではなく、よそ者でなければならなかったから。
しかも日本人と韓国人の外見は似ているから余計に混沌の度合いが深まる。

國村準の手のひらには聖痕がある。
キリストと同じ。

キリストは復活した時、驚く弟子たちに言った。
そんなに信じられないか?私の手を見てみろ。しっかりと存在しているだろ?

終盤で國村準は同じ台詞を言う。
つまり國村準はキリスト。

ただ見た目は完全に悪魔。
あれが本当にキリストなのか?

監督いわく、キリストが復活した際、キリストの見た目は生前とは違っていたはずだ、との事。

國村準はキリストだが、もしかしたら悪魔なのでは?という余地を残している。

どの視点から見てどう解釈してもいいようにデザインされている。

これがこの映画の狙い。

謎の女も、終盤でまた不確実になる。
そうする事で、あなたはどう思う?と観客に問いかけてくる。彼女もまた混乱をもたらす存在。祈祷師も、善なのか悪なのか、わからない。
だから観客は混乱する。
あいつはどっちなんだ?
まんまと映画の狙いにハマっている。
餌を食べてしまった魚のように。

だが監督いわく、謎の女は主人公とコクソン町の守護神のような存在らしい。つまり神だ。
彼女は常に傍観している。
最後はニワトリ三回の下りで人間の信仰心を試す。

この映画がキリストについての映画である為に、カラス、落雷、黒犬、などの宗教的なシンボルが多数でてくる。

そしてコクソンという街はエルサレムのイメージ。


表面的には、
「殺人の追憶」の雰囲気で始まり
「エクソシスト」になり
ゾンビ映画になり
「ディアボロス」や「エンドオブデイズ」を通って
韓国ノワールに着地。


ラスト、悪魔だかキリストだかわからない國村準が神父の見習いと対峙するシーンは圧巻。
神の使いといえど、完全に國村準の手の平の上にいる感じ。
あの國村準のメイクは6時間かかったらしい。元々8時間のところ、國村準が勘弁してくれと言って6時間になった。

あとはゲロシーンが最高
あんなに長く吐くゲロは他にないよ!
オエッ!じゃなくて
オエーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
て感じ。
しかも赤いゲロと白いゲロでまるで紅白。めでたい!
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