ピッツア橋本

哭声 コクソンのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.8

コクソンという谷を分け入ったど田舎の村で起こる奇怪な家庭内殺人事件の連発。しかも祈祷師ごと死んでしまうケースもあるという。その背景には最近なぜか村にやってきた怪しい日本人の姿があった。町のお巡りさん主人公はその真相を探るべく奮闘するが、気づくとわが娘にも何やら異変が!
という寒村系ミステリーホラーサスペンス。

血と泥と暗闇、そしてカラスで塗りたくったダークネスな殺害現場とか、村落ならではの自然の怖さと美しさが描かれているビジュアル一式はとても良いと思う。
特に謎の日本人、國村隼の怖さ不気味さは際立っている。一頻りのメイクがかなり上手くいっている。
呪詛バトルも独特で見応えがあった。

だがしかし!
ホラーとしてはかなり成功してると思うけど、サスペンスの部分だと疑問符が何点か残る気がした。

何で普段スマホ持ってる警官が単独捜査に入る時、現場写真を一切押さえようとしないんだろう?
結局、國村隼日本人がこんな寒村に来た経緯と目的は?
あのゾンビもどきを生む理由とウィークポイントはどこ?彼らの戻る時と朽ちる時の線引きは?
「奴らはグルだ!」というセリフの事象との整合性が流石に取れてなくない?

などなど、語り過ぎないのがミステリーを産み、想像力を掻き立てるとはいえ…
怖さと不快感はあったけど、緊張感は抱けなかった。

結局、すべての動機と目的、根拠がわからない。
そこが良いんだろうけど、自分は2時間半かけて観た割にカタルシスが意外と無くてモヤモヤしてしまった。

筋とか何も考えずに震えて観るのが最良な映画かなと感じた。
ピッツア橋本

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