ここのところ立て続けに邦画を観ていました。
理由は簡単で、考えるのが少しきつかったからです。
邦画が何も考えずに観られると言う意味ではなく、ここのところ集中力に欠ける自分が洋画を観るにはあまり良い状態ではないなと思ったのです。
そんな心持ちが続いた中で、久し振りに選んだ作品がこれでした。
分かってます。
なんでそんな状態からよりによってこれを選んだのか…突っ込まれるのは承知です。
ひとまず、作品について書きたいと思います。
この映画は僕が思っていた内容とは少し違っていました。
『我は神なり』や『ザバハ』の様な内容を想像していたのです。
しかし、内容にがっかりすることはありませんでした。
それどころか、その切り口を素晴らしいとさえ感じました。
この作品を観て最初にイメージしたのは、『沈黙ーサイレンスー』でした。
これは他のレビューや解説でも同様の事が書かれていたりしますね。
これらに共通するのは、“よそ者”に対する偏見です。
世界には様々な文化や思想がありますが、この偏見に関しても様々なところに存在します。
この映画では、監督が「イエスは歴史上最も混乱を与え、疑惑を持たれた人物の中の一人」だと語る様に、キリスト教やシャーマニズムを取り入れています。
そのことは、見えないものや分からないことに対して偏見を持って対峙することがいかに危険で恐ろしいことなのかをより強く訴えています。
確かに、何の用心も無しにすべてのことを受け入れることなんか出来ません。
しかしながら、「よそ者であるから」を理由にして誰かを傷付けることはあってはなりません。
この映画の良さは、人間の弱い部分や恐ろしい部分を強烈に描く事でメッセージを強めている事ではないかと思います。
この映画で描かれた事は、決して“偏見”にとどまるだけでなく、人間やその社会に対する強いメッセージではないでしょうか。
話は戻りますが、僕がこの映画を選んだのは前向きになる為です。
しんどいとか辛いとか言う気持ちは、それを避ける事で確かに和らぐかもしれません。
だけど、時にはそれに立ち向かう事で乗り越えなければいけない事もあるのかなと思います。
特に、自分自身の気持ちなんてものは自分がどうにかするしか無いのだから。
と言う気持ちからの荒療治でした。
さて、明日からまた頑張るぞ!!
見応えのある作品でした。
観て良かった。