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ワンダー 君は太陽のしてぃぼのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
3.7
確かトリーチャーコリンズ症候群といって、去年本屋にも一時期よく並んでいた「顔ニモ負ケズ」という本でも取り上げられていた症状です。「顔ニモ負ケズ」では症状を抱えている方がこれまでの人生について語っているのですが、その中である方が、「自分が人から好奇の目で見られているのは分かっている。でも顔なんて何回か見たら慣れるから自分から外に出て行動しないともったいない」とおっしゃっていて本当に立派だと思いました。
劇中でも校長先生が「人の見た目は変えられないけれど、見る目は変えられる」と言っていたように、接する側もただ個性的な顔立ちをしているだけで、中身はみんなと同じ人なんだ、ということが分かれば仲良くできることなんだと思います。

そんなトリーチャーコリンズ症候群を抱えるオギーを演じた、「ルーム」の男の役でもあったジェイコブトレンブレイくんの演技がまたすごい。また、この映画はオギーと触れ合うことで次第に変化していく登場人物を描いたオムニバス形式というのもいいですね。

自分が好きなのはやっぱりお姉ちゃんのパートですかね。しっかり者で手のかからない立派な子なんですが、その分親はオギーに執心という。できて当たり前なことこそ辛いことはないですよね。

こういうハンディキャップを乗り越えていくようなストーリーですと兎角メインの人物にしかスポットが当たらないんですが、オギーとの出会いで人々が変わっていく、まさにオギー自身が影響を与える太陽のような存在であるという点が他の映画とは違うなぁと唸らされました。
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