「人は外見じゃない」
R・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を映画化。生まれつきの障がいにより、人とは違う顔を持つ10歳の少年オギーと、その周りの人が織り成す人間ドラマ。正直最初3分でもう泣きそうな感じになった。まあその後はあまり号泣はしなかったのでやや拍子抜けだが、良い映画だったことに変わりはない。
この映画の良いところは群像劇スタイルになっているところ。普通の映画ならインパクトがあるオギーを主軸に一本作るだろうが、実の姉ヴィアから始まり、初めての友達ジャック、疎遠になったヴィアのかつての親友ミランダ視点のエピソードも出てくる。彼らにもそれぞれ悩みがあるのがオギーの話の裏から見えてくるのが良い。
オギーの家族が素晴らしいのも心温まる。ミランダが元の家族よりこの家族の輪に入ってはしゃぐのも頷けるぐらい愛に溢れている家族というか。こういう映画に良くあるヒステリックになって障碍の子供にキツくあたるとかいうシーンも全くなく、多少の衝突はあっても、基本的にほっこりする。
不満は最後の場面。ちょっと盛り上げすぎてベタベタなラストになってて肩透かし感があったが、まあ頑張ってきたご褒美みたいなもんだろう。あとはもうちょっと掘り下げて欲しいキャラが何人かいたかな。特にいじめっ子のジャスティン関係はフォロー入れて欲しかった。
障碍を扱いながらもほっこりしていて見て良かったと思えるハートフルな傑作。家族を持つ全ての人に。