こたつむり

Mr.&Mrs. スパイのこたつむりのレビュー・感想・評価

Mr.&Mrs. スパイ(2016年製作の映画)
3.6
♪ 真実を知ることが こんなにつらいなら
  僕はスパイになんかなれない

やっぱりコメディって良いですね。
エンタメの基本は“笑い”。
それを存分に味わえるのがコメディ映画なのです。

でも、全般的に巷の評価が低めなのは残念。
涙がちょちょ切れる作品や、眉間にしわが寄る作品よりも、よっぽどセンスとバランス感覚を求められると思うのですが…。

日本人は権威に騙されやすいんですかね。
「アカデミー賞ノミネート!」とか「全米一位!」の惹起が未だに使われるのは、そういうことなんでしょうね。

何はともあれ。
本作はエンタメの基本を忠実に守っている作品でした。タイトルにもあるようにスパイが題材なのでアクション要素もバッチリ。万人向けです(とは言え、子供と一緒に観るのはオススメしませんが)。

特に登場人物にイヤミがないのが見事。
悪く言えば“凡庸”なんですけどね。その辺りは夫婦の配置(人が好い夫と、突っ走りやすい妻)でカバーしています。とても基本に忠実な姿勢ですね。

勿論、その“凡庸”さの捉え方によれば凡作。
敵役がショボいとか、サスペンス要素を前面に出した前半がタルいとか、伏線が少なすぎるとか、悪く言おうとすれば課題は色々と見つかります。

でも、それらはガル様の魅力で忘れましょう。
物語中盤でムフフな場面があるんですが…あ、いや、僕はそっち方面を求めていたわけじゃあないんですが…すんごいスタイルの良さが際立っているので…忘れようにも忘れられないだけでして…。

これはね。
紳士諸君ならばご理解いただけるはず。
コメディ映画に邪な気持ちを抱く筈がないですよ。ね。ね。そうですよね。

まあ、そんなわけで。
日常からスパイの世界に引き込まれる夫婦を描いたスパイコメディ。基本的には“ゆるい”作品なので、肩の力を抜いて臨むことをオススメします。ちなみに僕が一番笑ったのは、ホテルに乗り込む前の場面。「あ、終わった」のセリフが最高でした。
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