るる

T.R.Y. トライのるるのネタバレレビュー・内容・結末

T.R.Y. トライ(2002年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

中学生の頃に、映画館で見た作品。

このほどDVDで見返してみて、大森監督の軽妙な作風と、織田裕二の画面の中での軽やかさ、芝居掛かった軽薄さは、相性が良いと感じた。織田裕二には、カッコつけた芝居が似合う。

そして、このころの市原隼人はピュアで将来有望な若手俳優だったのにな…と切なくなった。

中国人、韓国人の俳優が演ずる仲間との友情など、友好映画のような趣を強く感じた。ボーダレスで良い雰囲気だ。一方で、カンフーの使い手っぽい暗殺者には不気味な魅力が。

ベタな展開とケレン味のある演出、嫌いじゃない。ちょっともったいつけすぎな感じで、テンポが悪いけど。ちょいちょい80年代の香りがするけど。

前半、主人公が計画に乗り気でなく、文句ばかりなので、イマイチ乗り切れない感じがするし、ひとつめの仕掛けには察しがついてしまったが、渡辺謙との腹の探り合いが始まるあたりからグッと面白くなる。適度に挟まれるアクションなど、終盤にかけて見応えが。しかし、結末は少々拍子抜け。

上海の街並みは華やかで、日本の風情ある花街との対比になっているのも面白い。おそらく一発勝負の撮影だったであろう、終盤の爆発シーンなど、洋画では出せない味がある。クライム映画好きとしては、漫画のような軽快なタッチで楽しめて、悪くなかった。冒頭は『スティング』のオマージュか?
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