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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのmiiのレビュー・感想・評価

4.0
音楽も不気味でこの家族も不気味。
夫婦の会話には感情がなく
親がそうだから 子供も同じく。
会話が棒読み。

この家族はステイタスだけで家族関係を続けているように感じられて
こんな家族 一撃したら一瞬で粉々になるのであろうなという予想を
面白いように汲んでくれたストーリーだった。

この家族の前に現れたマーティン。
そこから2人子供たちの奇病が発生する。
家族の中の一人を殺さねば 三人全員が死ぬ事になると告げられるスティーヴン。

このマーティンという青年は
心臓外科医であるスティーヴンが執刀して医療ミスで亡くなった男の息子だった。
復讐だったのだ。

初めは抵抗するも マーティンによる理不尽な要求をあっさりと受け入れ
自分の保身に走る家族。
父親の存在は絶対的立場らしく
ここからの命乞いがなんとも不気味だった。
母親(ニコール・キッドマン)なんて 「また子供なんて産めるわ」なんて言う始末。

どちらの子供を残すか?の場面も恐ろしいわ。
元凶である父親が責任取れよ!と腹立たしく観てても
この父親は一切謝らない。
悪びれない終始変わらない表情が 一層小憎らしく思えてきて仕方がなかった。
コリン・ファレル good job!な所w

彼に謝罪の気持ちがあったなら
結果は違ったかもしれないね。
罪悪感からいろいろ良くしてもらったマーティンが
一番欲しいのは 謝罪の言葉だったんじゃないかな。

それが発せられるまで
マーティンの呪いは解けないような気がするのは
ラストの不穏な雰囲気のレストランの場面。
「好きなものは最後に食べたいから残す」とマーティンが言っていた言葉を思い出し
それはポテトを食べていた娘なのか
元凶のスティーヴンを最後まで残すのか?
マーティンのあの表情からは
これでめでたしめでたしとはならないわよね。

バリー·コーガンの怪演も際立っていたので
彼のバットマン ジョーカー役が楽しみですね。 



2023/04/04 再鑑賞
mii

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