ねーね

22年目の告白 私が殺人犯ですのねーねのレビュー・感想・評価

3.8
韓国映画『殺人の告白』のリメイク作品。
遡ること22年前。
世間を震撼させた、東京都連続絞殺事件。
そして2017年。
藤原竜也演じる「曾根崎雅人」が、時効を楯に犯行の独白本『私が殺人犯です』を出版する。
一躍メディアと世間の注目を浴びることになるのだが…

予想以上に、ハラハラドキドキできるサスペンスだった。
予告編で「何が起こるんだろう?」と興味を持って観にいく人は多いと思うが、良い意味で期待を裏切りまくってくれる。
同じく藤原竜也が出演する『藁の盾』と似た話かと勝手に考えていたが、今からでもお詫びしたいくらいまったく異なる内容だった。
怪演で有名な藤原竜也、彼の演技が上手い具合に作用していたように思う。(観ればきっとこの意味がわかるはず!)
話のオチについてはなんとも納得しづらい部分もあったが、それも気にならないくらい、全体的な面白さが凌駕していた印象。

殺人犯といえど22年前の殺人事件。
ちょっと見てくれが良くて話の内容がスリリングなら、好奇心に駆られた人々の手で本は爆発的に売れ、ワイドショーに出演し、SNSでは盲目的なファンさえも登場する。
もし実際にこんなことが起こったら、本当に世間はこうなってしまうのかもしれない…
リアリティに溢れた展開、矢継ぎ早に映される映像、ビートの効いた音楽、それらの演出に私たちは踊らされる。
憎くて怖くてたまらないのに、なぜかワクワクして見守ってしまうのが、マスメディアの煽動がなせる恐ろしさだろう。

ちょっとでも気になるという人は、是非一度映画館に足を運んではいかがだろうか。
若干残酷なシーンもあるので、心臓の弱い方は注意することをオススメする。
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