HicK

僕のワンダフル・ライフのHicKのレビュー・感想・評価

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)
4.0
《悔しいです》

【転生テーマ】
「悔しい。卑怯だ」。劇場鑑賞時の感想。『転生を繰り返す=何度も死が訪れる』訳で…。予告から題材は分かってはいたが。ストーリー以上に"その場面"が繰り返される度に涙。作者の罠にかかった感はある。角度を変えて見れば残酷な作品。

【ワンコ愛】
ただ、「悔しい」だけに支配される事なく見終われたのは、製作陣の犬に対する愛情が溢れていたからだと思う。犬目線のカメラワークに犬の気持ちを代弁するセリフ。中には誇張しすぎたセリフもあったが、大体は犬を飼った事がある者にとって共感できるものばかり。「臭いものにまみれたい」というセリフが刺さった。

【クライマックス】
良いシーンだった。全てはこのためのフリだったと納得。壮大な旅だった。

【残念な点】
残念だった事は邦題。原題では「A Dog's Purpose」。そして映画の最後にも『今を一緒に生きる事。それがA Dog's Purpose だ』というベイリーの語りで締めている。「転生」以上に「目的」が主題に近い。なのに、テーマ性を無視し、しかもダジャレ。根性あるな、と褒めたいぐらいに悲しい。

【総括】
犬好きなら、やられる。好きじゃなくても、やられる。それでもいいやと思えるぐらいにワンコ愛が溢れた映画だった。良い感じでファンタジーの優しさに包まれている作品。

ちなみにうちのイッヌは亡くなる前日に、ずっと窓の外を眺めてた。今までそんな事してなかったのに。色々想像してしまう。本当に不思議な生き物。
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