もやし

サバイバルファミリーのもやしのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
5.0
結構衝撃的な作品だった。



何の前触れもなく電気器機が全て停止するというとてもシンプルな話。
でも今までこういう話見たことなかったなー
そういうパニック映画的側面と同時に、ある家族の関係性もメインで描いている。

この家族が高校生の娘と大学生の息子の4人家族。
子供達がねえ、典型的な10代って感じで。
学生時代特有の親を親とも思ってない感じというか、家族のことを考えてもいない感じというか。すごくわかる。
そのまま一人暮らし始めてその関係性が変わらないままの家族も多いとは思うけど。
家族と向き合うのって、大なり小なり何かきっかけがないと駄目なのかもね。
この映画の場合はそれがとても大規模なきっかけだからわかりやすいけど。

父親の、仕事ばっかで家族との会話が取りつく島もない感じとかもちょっとわかる。



とにかく突然全ての電気がなくなってしまうわけだけど、これがとても怖い。
最初の内は温かいご飯が食えないだの電車が止まってるだのただ文句言ってるだけなんだけど、段々と深刻な空気になってくる。
何もできないし結構マズイ状況なのに皆律儀に仕事場や学校に来る感じはリアルだなあと思った。

深刻な事態になってからは、本当にゾッとするほど怖い。



こういうときに最後に頼りになるのは家族なんだなあと思った。
無条件で協力し合える人なんて他にいないよね。
家族の関係性が変わっていく感じはとてもリアルで感動した。



この映画面白いんだけど、中盤以降は本当に色々とキツすぎて、見てて辛いだけになっちゃうのが難点。



エンディングの歌めっちゃ良かったなあ。
思わず泣きそうになった。

とっても良い映画です。
テーマ的に平成を代表する映画になるだろうなあ。
もやし

もやし