傷だらけの悪魔のあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

自分だったら出来るはずもないのに、とても安直なやり方で全部をメチャクチャにしてしまえ、と先走って思ってもそういうのではなくて、身体が凍る感覚とか力が入らなくなる感覚とか、ひたすらリアルにじりじりじりじり追い込まれてしまう。勝手にイメージして強く在ってくれると思い込んで、でも身を以てのことでそんなわけないとわかってるはずなのに、やっぱり他人なのだから他人事としてしか見られていないのだな、とあらためて思った。
そのうえであくまでも自分にとっては、目の前で起きていることの不快感が何よりも上回ってしまうと知った。頭ではどれだけ過去を意識しようと思っても、過去を踏まえて今見ているものを思おうと思っても、どうしてもただ起こること起こることに腸が煮えくり返るばかりだった。そしてそれは他人事だからなのかもとも思うし、でも自分の行為に誘発されて発作を起こしてしまう彼女の場面があったから、すこしだけすくいあげられたみたいな気持ちにもなった。
復讐への逆襲に転じるやり方はそれまで煮えくり返っていた腸がスカッと抜けるように気持ちよかった。汚さもなにも関係なくて、思いきりぶちまけてしまいたかった。響かせようとかではなくて、投げつけてしまいたいような気持ちだった。観終えて湧き上がる衝動が物凄かった最高。