まえ

あゝ、荒野 前篇のまえのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
4.5
後篇次第で今年一番の映画になるかも…


この作品みたいに全く性格と背景を持った二人が何か共通点があって高め合う話ってたくさんあるけど、新次と健二がそれぞれ目的を持ってボクシングを始めてなんとかして今の鬱憤のたまった状況から這い出そうともがくのは観てて気持ちいい。生々しい描写も彼らの人物像を浮き彫りにして上手く機能してるからR-15にして正解だと思う。ボクシングのシーンもしっかりハラハラさせてくれるので満足。
新宿が舞台だから駅近くのきらびやかな大通りは「なんかここ行ったことあるな」と思える場所がいくつも出てくるし、過ぎるたくさんの人々や廃頽的な路地のごちゃごちゃしてるのに淋しげな雰囲気は内容にぴったり合っていて、見てるとなんだか自分もゴールデン街の周辺に行ってみたくなる。
原作は50年前のものだから現代と合うように変えてるんだろうなっていう設定が多くあるんだけど、それがいい具合に都会の陰鬱な具合を発揮して閉塞感のある生活を思わせてくれる。原作読んでないので後篇見終わったらぜひ時間つくって違いを比べてたい。

ただ、ところとごろで本筋とあまり関係のないような話が入ってきて、邪魔に感じたんだけど後篇への布石かもしれないのでそのことは保留にします。

20171009
まえ

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