ミステリアスな女(レイチェル・ワイズ)が、トム(マイケル・シャノン)に近づくためにその同僚のクライドという男性と接触する。女はアリスと名乗り、バイオロジストとしてタンザニア島でカエルの研究をしていたという興味深い話をし、クライドと懇意になる。
オープニングにレイチェル・ワイズが色んな場所で色んな仕事をしていた描写があり、この人なんなんだろう?スパイ?なんの目的があってトムに近づこうとするのか、気になる。
クライドはアリスをトムのバースデー・パーティに連れていく。アリスはカエルの研究の話で、トムの奥さんラミアを始めとするパーティ客を魅了する。しかしトムは、アリスが15年前に失踪したガールフレンドのジェニーにそっくりなことが気になってしょうがない。アリスも、パーティが進むにつれて色んな場所で名前を変えて色んな人生を歩んできたことを話し始める。
アリスがジェニーなのは間違いないので、そこにはミステリーがない。なので、15年もなりすましの生活をしていた理由はなんなのか、そして今トムの前に現れた理由は?ってのがミステリーなのですが、そこは解明されない!!
その代わり、中盤でキャシー・ベイツが出てきて、なんとダニー・グローバーと夫婦で、この老婆をトムとアリスが助けるんだけど、その時アリスが自分とトムは医者だと嘘をつき、それに合わせて医者に成りすましたトムが成りすますことの快感と不快感を体験する、つまりジェニーがやってきたことを理解し、自分の「なりたくないものにとどまっていた人生を振り返る」的な?展開になってくる。
なんなんだこれ!ってすごい消化不良で、 iMDb でも 5.4/10 と評価はあまり高くない。ところが投稿を開けて見ると、好きな人はすごい好き、嫌いな人はすごい嫌い。
好きな人の感想を読むと、ジェニーが中盤独白する「囚われの身」に感じる人生、だからそのたびに逃げ出したくなる?のような感情わかる!自分の人生を考えさせられる!と言っている人が多い。
一つ興味深かった投稿は、ジェニーは「衝動的、強迫的に嘘をつく人」で、その場で作り話をする人、そういう人を実際に知っているので、そういう人がパーティに来たときとかの周りの人の反応とか、わかろうとしても良くわからないって感情は鮮明に描かれていたってやつ。
この投稿者は、ジェニーの様々な過去のアイデンティティは作り話だと解釈したみたい。そういう人の描き方は的確だけど、物語としては消化不良、みたいな。
まあでも観る人によっては刺さる人もいるようなので、観る価値はあるかも!です。