Arisa

新感染 ファイナル・エクスプレスのArisaのレビュー・感想・評価

4.3
今年の元旦に観たものを今更レビューします。
ネタバレしたくないのでサラっと書きますね。



元旦から何観てんだよって話ですが、逆に新年1発目がこの作品で本当に良かった!!
素晴らしい!!



そして自分のセレクトセンスに拍手したい!!(自画自賛)



ゾンビ映画だと聞いていたのでパニックものでもしかしたら合わないかもなぁ…なんて思っていたら
ものの数分でヤられました。



私の持論



「冒頭10分以内に面白いと思ったらその映画は傑作」説



また発動しました。


これは面白いぞ、と直感が働きました。



「新聞記者」「怪しい彼女」の主役女優シム・ウンギョンちゃんの使い方、なかなかに贅沢ね笑



元ワンダーガールズのソヒが出てるし、このカッコいい男の子は誰だろうと思ったら「パラサイト」のチェ・ウシクも出てる!




そしてマブリーーーーー!!



最強に強くてカッコいいパパですね。
みんな大好きになるでしょう、このマ・ドンソクは。



その奥さん役のチョン・ユミは只今上映中の「82年生まれ、キム・ジヨン」に出ていますね。


しかも、コン・ユと夫婦役。



こちらの作品もなかなか面白いようなので観にいこうと思ってます。




さて



ただのゾンビ映画だと思って観ると面食らいますね。


人間愛に満ちた人間讃歌のお話ですよ。



日常が急にスリリングに変わる。


恐怖に慄く中で様々な人間模様が伺えます。



愛する者のために命を懸けて闘う者。


どこまでも自分の保身の為にだけ動く者。


臆病ながらも生きようとする者。


流れに身を任せる者。


自分ではよく考えず右に倣えでここぞとばかりに排他的になる者。



絶体絶命の危機で利己的な姿から利他的になれる者。





生死がかかった中でどれだけの人が他人の為に動けるだろうか。



こういう時に本性が出ますが、私は正直自信がない。自分が生きることに必死になりそうです。
だってここで死ぬなんて誰も思わないし覚悟なんて短時間にうまれない。



だからこそ、自分を犠牲にしてみんなを助けられる人は儚き美しき勇者となれるんでしょう。



簡単に善と悪に分けると[人間対ゾンビ]に
集約されますが、ゾンビよりも明らかにタチの悪い人間も多いということです。



まぁ、どうせこういう嫌な人はさっさと死ぬかろくでもない死に方するから良いか



なんて思ってるとそれも面食らいます。




さすが韓国映画…( ´_ゝ`) あっちもこっちも一筋縄ではいかんな笑




ある人物へのイライラがMAXに達した人も多いんじゃないでしょうか。




ある意味、1番人間らしいとも言えますが



立派な肩書きだからといって決して人間として立派ではないという典型ですね。






主役のコン・ユの抑えた演技からの感情大爆発の演技への変わり様が素晴らしく、大容量の涙が出てきました。



ここからは、ゾンビ映画というのを忘れてヒューマンドラマになっていましたね。

 



そして、もっと素晴らしかったのはコン・ユの娘役スアン演じるキム・スアンちゃんの演技。



彼女の存在感と歌声がこの作品に、繊細な心情を加えたかつてないゾンビ映画に仕立て上げたと思います。


この子が居たからこのスコアです。



本当素晴らしい演技だった!!



終盤のコン・ユとの会話、本当の父子かと思う程、情感溢れるシーン、こちらにも伝わってきました。



私はこの映画で



【人は他人によって傷つき、怒り、落胆するが
人は他人によって励まされ、与えられ、救われる。
だから人間て素晴らしいじゃないか】



と道徳心を教えてもらった様な気がするんですよ。





〇〇らしからぬ、という表現があると思いますが
〇〇らしからぬ人が行う〇〇らしい行為はそれまでを帳消しにするかのように周りの者の心を揺さぶるんでしょうね。



確実に私の心は揺さぶられました。
嗚咽が止まらず、しまいにはしゃっくりまで出そうになりましたよ。



何となしにこういう作品に出会えるから映画って最高なんだよなーって
元旦につくづく思ったのでした。




そして来年の元旦に上映される続編も楽しみーー!!
Arisa

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