次男

アイム・ノット・シリアルキラーの次男のレビュー・感想・評価

3.7
サイコパスとかソシオパスとかシリアルキラーとか、しかもそれにVSついちゃってる煽りとか、一定の年齢層大興奮じゃんね!でも、この映画は一定の年齢層を興奮させる方向には転がらない。というか、あまりに予想外。はっきり言ってかなりのトンデモなほうに転がっていくし、わかりやすい怖さとか、わかりやすいグロの刺激があるわけじなないのに、16mmの醸す空気なのか、マックス青年の危うさが本当っぽいからなのか、街の空気か、なんか抜群に観れてしまう。『IT』みたいに良い意味で裏切られた。


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ネタバレ
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テーマとしてはVSとかじゃなくて、やっぱりあくまで「Im NOT...」の感じというか、マックス青年の苦悩と成長で。入り口でもあり、ゆりかごでもあった解剖台で繰り広げられるラストは、物語が結実するには最適な場所だし、そこに母もいて、成長だなあって。こんな成長譚になってると思ってなかったから、タイトルそういうことかーって。

人外だったクリストファーロイドさん、その有り様をあれだけたっぷり観れるとは思っておらず、もっと誤魔化されると思ってたから、なんか1ジャンル得した感じ。造形も気持ち悪くて良い!あれだけ捕食してきたやつに情けをかけるわけにはいかないけど、こちらはなんかすこし切ない「Im NOT...」で。

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ラストカット、急にかかる陽気な音楽。血の代わりに入れる液体を流すポンプの針の振れ方が、その音楽と一致してそうでズレてて、「時々あって、ズレて、また裏で合って、合いそうで合わねえな〜」って思ったあと、あ、これはわざとか。鈍くてごめんなさい。とても粋な表し方!
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