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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのAyaxのレビュー・感想・評価

3.7
「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」
フランスとデンマーク合作のアニメーション映画。日本では2019年に公開されて、観たいなと思って結局観られずの状態がずっと続いていて、たまたま今日地上波で放送されてたので鑑賞(吹替版)。ありがとう、NHK。
行方不明になった冒険家の祖父と船を孫娘が探しに行くという話。彼女の父はロシアの伯爵?とかで、お金持ちの家の子で、か弱く世間知らずなんだけど、おじいさんを探す過程でたくましく成長していく、という。
短くて(80分)テンポが良いのと、話もシンプルで観やすい。
アニメに限らず最近の映像はどんどんリッチになっていってるので、こういう削ぎ落とされた簡素な作画は逆に新鮮。
何より素晴らしいのは色使い。全体的な色のトーンがまとまりがあっておしゃれ。同系色でまとめてるんだけど、主人公は髪の毛や服の色が白っぽく明るい色で自然と目立つ(目が行く)ように設計されていて、色彩設計を担当した人が天才なのではと思った。
あとロングスカートに筒が太いスノーブーツみたいな組み合わせが個人的に好き。あのイヤリングをお金の代わりに渡して(もちろん返ってこない)、あそこからお嬢様じゃなくなるということを示唆してるね。文字通り、裸一貫。
もうちょっと後日譚というか、あの後どうなったか観たいと思ったら、本当はそういう映像があるみたいで、地上波でカットされた模様。配信でその部分を観られれば観たいわ。
風を受けたときのスカートのふくらみとか、食堂で面倒見てくれるおばさん(ドーラ的な)とか、宮崎駿の影響も多少受けてるのかしらという感じ。
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