実力で
昨年、本作の主人公であるキャサリン・G・ジョンソンは
当時のオバマ前大統領からアメリカで大統領勲章を与えられた。
現在99歳。飛び級で大学を18歳で卒業。
教師の仕事をしていたが、数学の才能を生かすために、
NASAに就職した。
主人公は宇宙特別研究本部という部署でコンピューターとして働く。
当時のコンピュータは「人間を雇って計算するところ」であり、
主に女性が紙と鉛筆で計算をしていた。
その結果を男性が分析し、決断する材料としていた。
しかも、主人公は黒人。60年代ではトイレやバスは黒人白人は別なのは
知っていたが、現在のすべての市民が使うあの場所さえも分かれていることに
驚いた。それではやる気や努力すら奪ってしまう。
また、本作は黒人差別だけではなく女性差別にも触れている。
本作が優れているのはスキルや知識という「実力」があれば、
差別があってもすべての人が平等になる可能性があるということを
示している。本作のように宇宙分野という未知の物に
国家的プロジェクトとして動いている場合は尚更のことである。
60年代に起こったデモ行進や集会が当たり前だった公民権運動
だった時代背景を映画にすると、「暴力」で訴えたり、「暴力」で潰される描写
があるが、本作は一切そのようなことはない、稀有な作品だと思います。
古今東西聞いたことがないが、
本作は撮影監督が女性であるということも
付け加える。
おススメです。