たつかわ

浜の朝日の嘘つきどもとのたつかわのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
4.1

映画館で人は救えない、大久保さんという女優

以前、山下達郎が「ポピュラー音楽とは人々を励まし、元気を与え、癒やす役割がある。歌が聴き手に寄り添い、メロディーや詞が生活するうえで助けにならなければいけない」という話を震災以降、何度も話をしている。そう、芸術は癒しにはなるが問題は解決しない。

序盤で館長が「この映画館で鑑賞していて、コメを育てていた弟が自殺した。映画館では人は救えない」という言葉がサラッとでて、本作はその部分を最初から割り切っているところが良かった。

主人公が映画館を復活させるために館長と奮闘する現代と主人公が震災以降に様々な困難が降りかかり、病んでいた時大久保さん演じる先生が度々助ける過去の二つの話が同時並行に流れる。

主人公と館長の会話が卓球のラリーのようで、テンポが良く、また大久保さんは、あてがきかと思えるぐらいバラエティで演じている大久保さんと
ほぼ同じだったが、それが本作では良かった。

映画館を温泉施設にしたい人達も悪く描かず、全体的には満足のいく作品ではある。しかし、終わり方が肘妻を合わせた感じがあるため、この部分は不満が残る。全部、大久保さんが実は全額寄付したとかいう終わり方の方がスッキリして良かったかもしれない。

大久保さん年末から年明けにかけて女優賞あるかも?

おススメです。
たつかわ

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