たつかわ

クーリエ:最高機密の運び屋のたつかわのレビュー・感想・評価

4.0
家族持ちのスパイ、友情の話

近年ではジョン・ルカレ原作で世界的にもヒットした「裏切りのサーカス」が思い出されるが、この作品よりも本作は分かり易く、しかも共感ができる。それは主人公がセールスマンであり、また家族が話に大きく関わっているためである。終盤にある人物を助けようとするが、助けるのはその人物だけではなく、その人物の家族も助けようとするためであり、もはやスパイ映画の枠を超えている。

銃撃戦もなし、主人公がソ連へ行っても緊張感はあまりありません(後半のラジオあたりから流石に)。でも満足度は高い。なぜだろうと思いました、主人公とソ連側のスパイとも友情物語だからだと思います。その結果があの誰でも知っている世界危機を回避したのだから。(ただ彼らの活動がどの点で回避したのかが、本作では描かれていません。5000点という情報がソ連から西側に渡った言われますが....)

音楽ですが、トムフォードの「シングルマン」を手掛けたアベルコルゼニオフスキー。映画が始まって早い段階でわかりました。「シングルマン」自体は微妙ですが、音楽の優雅さが大好きでよく聞いていましたから。本作は優雅さは落ち着いていますが、本作の音楽も素晴らしいです。あと、主役を演じたベネディクト・カンバーバッチが良かった。もう45歳ですか、肉体改造ご苦労様です

お勧めです。
たつかわ

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