たつかわ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのたつかわのレビュー・感想・評価

3.7
007は、終わらせた方が良いと思う

昔の007といえば、女性を乱暴に扱うのは当たり前であった。象徴的なのが「サンダーボール作戦」の敵とはいえ、一度関係を持った女性を銃弾を避ける盾にするというとてもドライ存在であった。

ドライさが売りでもあった本シリーズは、21世紀になってから失われつつあった。一方で、「カジノロワイヤル」で評価を上げたが、「慰めの報酬」ではボンドの怪我により、満足な内容とはいかず、劣化「ジェイソン・ボーン」シリーズといわれる始末。「スカイフォール」で復活し、「スペクター」ではまずまず。

本作は娘を持ったことで成長する一話完結のお話であれば、いい映画だったと思う(オチは除く)。でも、次の007もあるわけで、本作ではさらにドライさがなくなってしまって、もはや007の必要がなくなってしまった。しかも、リアルな世界でもスパイの必要性がなく、ハエのような小さなドローンでスパイのような活動ができてしまうのだから。

作中でボンドは、引退状態から007に復帰するのだが、復帰する前に007であったラシャーナ・リンチ演じるノーミが全く魅力がなく、この人が次の007だったら最悪だろう。

本作自体は面白かったが、後々のことを考えるとこのシリーズの雲行きが怪しく感じさせる作品でした。
たつかわ

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