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ANTIPORNO アンチポルノのhynonのネタバレレビュー・内容・結末

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

芝居がかった演技。詩のようなセリフ。非現実的な空間。
まるでアングラ劇場の前衛的なお芝居を観ているよう。カラフルで狂気的な色使いは、ポップソングのミュージック・ビデオを見ているようでもある。

だからといって、スタイリッシュでカッコいいか、というとそうではない。極彩色は好きだけど、これはセンスが感じられない。
画も演出も音楽もダサい。すべてが洗練とはほど遠い野暮ったさ、わざとらしさ。はたしてこれはわざとなのか??
何を狙ってつくったのかさっぱりわからない。

…と困惑させておいての、後半。
おもしろい(笑)。
精神病んでる感がすごい。

ところどころ、フォン・トリアーやパク・チャヌクの影響受けてるのかな?と思うシーンもあったけど…ぜんぜん違う、、
園監督にお洒落さや洗練を求めてはいけない、とあらためて思う。
そういうのはセンスの良いフォードやレフンに任せておけばよい。
園監督には、お洒落じゃないからこそ生々しい、という良さがある。

ケーキのシーンがよかった。
筒井真理子さん素晴らしい。

園監督は他の誰もやらないことをやってくれる、という点で期待しているので、なんだかんだ言いながら次回作もまた観てしまうのかな。
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